7月の進捗報告記事で最後にちょっと書いた『John Mayer Black1 再現計画』
いよいよ始動しましたので、複数回に渡って作業の様子をお見せしていきます。
まずはオリジナルのBlack1について、わかっていることなどをまとめていきます。
非常に精巧なレプリカを製作されているichimonzi様のページ
Black1製作ストーリーやスペック面での解説など、非常に参考になる物ばかり。
srvが好きなジョンが『ギターの鳴りに塗装が影響を及ぼしている』と考えるのは至極真っ当なこと。
鳴りを高めるためにほとんど塗装が落ちているBlack 1はある意味合理的ではありますが・・・。
上記の動画によると・・・
カスタムショップのギターで、アースの接点不良とはお粗末な話です。(どこまで本当かわからないけど)
そんな背景はともかくとして、詳細なディテールを見てみます。
世界で83本限定生産のため、実物をじっくりと眺めることは叶わないですが、ネット上の見ることができる、CS製、各工房製、そしてオリジナル、それぞれの画像を分析してみました。
あれこれ見てみて思ったことは・・・。
同じ人が作ったといっても、人間なので。
まず、今回レプリカのベースとなった個体はこちら。
ヤフオクで『Fender ボディ』と書かれて出品されていたものです。
ネックポケットにスタンプなどがなく、サドルに刻印があるのみで本当にフェンダー製かどうかも怪しい。
一か八かで落札し、実物をマジマジとみてみると、確かにフェンダー製のようです。
このブリッジアースのはんだ付け、フェンダージャパンでよく見るタイプです。
配線を見てみると、飴のような黄色いコンデンサーが出てきました。
良くみるのは緑のコンデンサーですが、この黄色のはテレキャスで見たことがあります。
それとハイパスがついていますね。
あまりにもお粗末なアッセンブリーなので、手持ちのパーツを使いながら総入れ替えをします。
アッセンブリの交換はまた後ほどまとめて紹介します。
いきなりですが、塗装剥がしました。
ネックポケットから想像していましたが、ボディはバスウッド。
アルダーだったらいいのになー、なんて期待はしていませんでした。
むしろ、貧弱なアッセンブリーをみて、「化粧板ついてたら面倒だな」と心配しましたが、そこは見事にセーフ。
ピース数は4ピース。まあ許容範囲内です。
さて塗装へ入る前にとっても大切なマスキングを施していきます。
ここでほぼクオリティーが決まってしまう作業。
塗装をする箇所としない箇所を分けておく必要があります。
今回かなり参考にさせていただいた動画が上のチャンネルの動画。
Velha Guitarraという工房の動画です。
基本的にマスキングで塗装を分けて行なっていきます。
が、マスキングなしで、塗装をする強者もいます。
で、自分はというとしっかりとマスキングをした上で塗装を行いました。
トップとバックは参考にできる画像がネット上にたくさんあるのですが、サイドに関してはなかなか見つけられず、かなりアバウトになってしまいました。
一部の工房製レプリカではサイドが無塗装のものもありますし、ここはフリースタイルでいいのでしょうw
マスキングを貼り終えたらいよいよ塗装です。
ウッドシーラー、サンディングシーラーを吹いていきます。
Kooy Guitarsの塗装の基本工程は同じですが、サンディングシーラーは一発しか吹きませんでした。
とことん塗膜を薄くするためです。
サンディングシーラーは塗面を平坦にするという点では抜群に優れていますが、性質上ゴムのようにボディの振動をかなりスポイルしてしまいます。
ちなみにボディの鳴りが凄まじいと有名なエイジドギターブームの火付け役、Nash Guitarsではサンディングシーラーを使わずにクリアラッカーで下塗装をしています。
まあそれはかなり手間なので、今回は回数をとことん減らして対応することにしました。
そして上の画像が本塗装中。
コンターの特徴的な箇所はシースルーイエローを吹き付けました。
この色味もかなり悩ましいポイントでした。
下地が透けているものもあれば、完全にソリッドカラーで仕上げている工房もあります。
ただ、ジョンのオリジナルを見る限り僅かに下地が見えるので、半透明のような仕上げを目指します。
塗装の順番としては、
イエロー→ブラック→トップコート(必要に応じて飴色で)
で行いました。
トップコートはコンターのイエローにも吹くかどうかが悩ましいポイントでした。
というかそもそもこのイエロー部分は一体なんなんだw
サンバーストの
マルチレイヤーだったのか、それともアンダーコート(シーラー層)が残って変色した設定なのか、それとも完全に飾りとしてのワンポイントなのか。
カスタムショップのレプリカを近くから撮影した動画をじっくり見る限り、イエローとブラックの境目に段差は見受けられないので、今回は一緒にトップを吹くことにしました。
トップは完全なクリヤーではなく、飴色で。
イエロー箇所の発色を抑えるイメージで吹き付けます。
そして半乾きの段階で、マスキングを剥がして・・・
ここからは数日間乾燥へ。
この段階である程度Black1らしくなってきました。
ちなみに塗装箇所が非常に少ないので、塗装作業自体は通常の半分以下。
さらにいつも以上に薄くトップを吹きましたが、これは吉と出るか、凶と出るか・・・。
次回はネックの塗装編です。
いよいよ始動しましたので、複数回に渡って作業の様子をお見せしていきます。
- まずは研究から -
まずはオリジナルのBlack1について、わかっていることなどをまとめていきます。
非常に精巧なレプリカを製作されているichimonzi様のページ
Black1製作ストーリーやスペック面での解説など、非常に参考になる物ばかり。
srvが好きなジョンが『ギターの鳴りに塗装が影響を及ぼしている』と考えるのは至極真っ当なこと。
鳴りを高めるためにほとんど塗装が落ちているBlack 1はある意味合理的ではありますが・・・。
上記の動画によると・・・
SRVトリビュートを弾くとボディが共振しているのがわかる。ラッカー塗装はボディの共振を抑制してしまっている。そしてこんなことも。
ギターを受け取り弾いてみたけど、全く鳴らなくてショックを受けた。冷凍庫に入れて一晩放置してみたけど、ただ冷たくなっただけだった。意訳ですが、こんな感じで語っていました。
そこで配線を見てみたら、アースが上手く取れていない。直してみたらぶっ飛んだよ。
カスタムショップのギターで、アースの接点不良とはお粗末な話です。(どこまで本当かわからないけど)
そんな背景はともかくとして、詳細なディテールを見てみます。
世界で83本限定生産のため、実物をじっくりと眺めることは叶わないですが、ネット上の見ることができる、CS製、各工房製、そしてオリジナル、それぞれの画像を分析してみました。
あれこれ見てみて思ったことは・・・。
- CS製でも仕上がりにばらつきが多い。特に、木地部分の染色で色飛び(なのかもともと薄いのか)が起きていて、雰囲気にばらつきがある。
- ジョンのBlack 1は木地に艶感がある。もしかするとオイルフィニッシュをしている可能性が?
- もしかしたら、ジョンはBlack 1を複数本所有している(2010年以降?)
- 有名工房のレプリカでもボディサイドは意外と再現できていない
- ネックはフレイムメイプル
同じ人が作ったといっても、人間なので。
- ボディの準備 -
まず、今回レプリカのベースとなった個体はこちら。
ヤフオクで『Fender ボディ』と書かれて出品されていたものです。
ネックポケットにスタンプなどがなく、サドルに刻印があるのみで本当にフェンダー製かどうかも怪しい。
一か八かで落札し、実物をマジマジとみてみると、確かにフェンダー製のようです。
このブリッジアースのはんだ付け、フェンダージャパンでよく見るタイプです。
配線を見てみると、飴のような黄色いコンデンサーが出てきました。
良くみるのは緑のコンデンサーですが、この黄色のはテレキャスで見たことがあります。
それとハイパスがついていますね。
あまりにもお粗末なアッセンブリーなので、手持ちのパーツを使いながら総入れ替えをします。
アッセンブリの交換はまた後ほどまとめて紹介します。
- 塗装剥がし&マスキング -
いきなりですが、塗装剥がしました。
ネックポケットから想像していましたが、ボディはバスウッド。
アルダーだったらいいのになー、なんて期待はしていませんでした。
むしろ、貧弱なアッセンブリーをみて、「化粧板ついてたら面倒だな」と心配しましたが、そこは見事にセーフ。
ピース数は4ピース。まあ許容範囲内です。
さて塗装へ入る前にとっても大切なマスキングを施していきます。
ここでほぼクオリティーが決まってしまう作業。
塗装をする箇所としない箇所を分けておく必要があります。
今回かなり参考にさせていただいた動画が上のチャンネルの動画。
Velha Guitarraという工房の動画です。
基本的にマスキングで塗装を分けて行なっていきます。
が、マスキングなしで、塗装をする強者もいます。
で、自分はというとしっかりとマスキングをした上で塗装を行いました。
トップとバックは参考にできる画像がネット上にたくさんあるのですが、サイドに関してはなかなか見つけられず、かなりアバウトになってしまいました。
一部の工房製レプリカではサイドが無塗装のものもありますし、ここはフリースタイルでいいのでしょうw
- 下塗り〜塗装 -
マスキングを貼り終えたらいよいよ塗装です。
ウッドシーラー、サンディングシーラーを吹いていきます。
Kooy Guitarsの塗装の基本工程は同じですが、サンディングシーラーは一発しか吹きませんでした。
とことん塗膜を薄くするためです。
サンディングシーラーは塗面を平坦にするという点では抜群に優れていますが、性質上ゴムのようにボディの振動をかなりスポイルしてしまいます。
ちなみにボディの鳴りが凄まじいと有名なエイジドギターブームの火付け役、Nash Guitarsではサンディングシーラーを使わずにクリアラッカーで下塗装をしています。
まあそれはかなり手間なので、今回は回数をとことん減らして対応することにしました。
そして上の画像が本塗装中。
コンターの特徴的な箇所はシースルーイエローを吹き付けました。
この色味もかなり悩ましいポイントでした。
下地が透けているものもあれば、完全にソリッドカラーで仕上げている工房もあります。
ただ、ジョンのオリジナルを見る限り僅かに下地が見えるので、半透明のような仕上げを目指します。
塗装の順番としては、
イエロー→ブラック→トップコート(必要に応じて飴色で)
で行いました。
トップコートはコンターのイエローにも吹くかどうかが悩ましいポイントでした。
というかそもそもこのイエロー部分は一体なんなんだw
サンバーストの
マルチレイヤーだったのか、それともアンダーコート(シーラー層)が残って変色した設定なのか、それとも完全に飾りとしてのワンポイントなのか。
カスタムショップのレプリカを近くから撮影した動画をじっくり見る限り、イエローとブラックの境目に段差は見受けられないので、今回は一緒にトップを吹くことにしました。
トップは完全なクリヤーではなく、飴色で。
イエロー箇所の発色を抑えるイメージで吹き付けます。
そして半乾きの段階で、マスキングを剥がして・・・
Taichi Koyama (Kooy Guitars)@k_y___4はい、これでしばらく手をつけません。 https://t.co/Q3hnIxwclM
2021/07/13 23:51:20
ここからは数日間乾燥へ。
この段階である程度Black1らしくなってきました。
ちなみに塗装箇所が非常に少ないので、塗装作業自体は通常の半分以下。
さらにいつも以上に薄くトップを吹きましたが、これは吉と出るか、凶と出るか・・・。
次回はネックの塗装編です。
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