ジョンメイヤー氏が所有するフェンダーのストラトキャスター「BLK1」についている例のペグが手に入ったので、ちょっとご紹介します。
そもそも例のペグとは?
BLK1はその特徴的な外見だけでなく、スペック面でも様々な特徴があることで有名です。
その一つがペグ。
正式名称は『デラックス・エリート・チューニング・マシーンズ』
1983年から85年にかけて販売されたフェンダーエリートストラトキャスターに採用されていたもので、シャーラー製。
ebayで売っている83年製のストラトにクロムメッキ仕様がついているのが確認できました。
※リンク切れてたらごめんなさい。
また、カタログでも確認できます。
1983年のカタログにはこのペグが載ってますが、1981年にはまだ登場していません。ちょっと似てますがデザインが違います。
なぜジョンメイヤーのBLK1についているのか
もともとジョンメイヤーのストラトについているものは、彼のギターテックでもあり、元SRVのギターテックでもあったレネ・マルティネスがレイヴォーン用に買って保管していたペグを採用したらしい。
2004年製number one レプリカにもついています。
こちらでその話が語られています。
ジョンメイヤーがレイヴォーンから受けた影響についてはここで書くまでもないので割愛します。
で、今現在このペグはフェンダーではもう販売をしていないため、デッドストック品となっています。
今回入手したペグ
では入手したペグを詳しくみていきます。
まずはこの袋に書いてある商品名。
ger dlx gold key j.m.
とありますが、これは現行モデルだとこれが当たります。
2ピンタイプのゴールドカラー、パーロイドボタン。
今現在こちらの2ピンタイプのフェンダー純正はドイツ製ではなく、インドネシア製です。(もしくは台湾製?)
とはいえ、USA製のギターに標準装備されているところを見るとアジア製だから精度が悪いということはなく、Cory Wongシグネイチャーとかでも使われています。まあそちらはロック式ですが。
で、個人的に気になったポイントは、末尾のJ.Mの文字。
結構調べているんですが、この商品名でヒットするものがありませんでした。
そこで一つ気になったことは、今回入手したものは割と近年に作られたものではないか?ということ。
下記のリンクはイタリアのよくわからんショップ
こちら
例のペグの交換用として売られていたであろうものが載っています。
外装?もそのままなので、商品名やJANコードなども書いてあります。
今回入手したペグに記載されているJANコードは上記のイタリアのサイトと同様であることもわかりました。
ただ気になったのは、『©︎2011 FMC・・・略』の文字。
つまり、2011年以降に販売されたパーツということでしょうかね。
考えてみれば、2010年にJMのBLK1が限定発売されていますので、それに合わせてペグを増産した可能性があります。
もしくは単純に80年台に作った分が在庫として残っていたという可能性も否定できませんね。
(海外の掲示板には2015年に新品を買った人が品質やサビについて言及しています。)
この二つの予想のうち、どちらが正解かは知る術もないので予想の域を越えることはほぼないでしょう。
手元に2ピンチューナーをつけるためのジグがあるのではめてみると、サイズはバッチリ。
まあ当然ですが。
Made In Germanyの文字。
このペグの偽物が世に出回っているかどうかという問題がありますが、どうなんでしょうか。
正直偽物があるならもっと世の中に出回っていてもいいじゃないかと思ってしまいます。
代替品はあるか
さて、ここからが個人的な本題。
Kooy Guitarsとしてはボディのみなどを含めるとこれまで7~8本くらいBLK1レプリカを作ってきました。
ネックも含めたフルバージョンも何度かありますが、いつもパーツ選びに頭を抱えます。
最大のブラックボックスであるピックアップは明確な答えがないのでビルダーの好みを反映できるという点でまだ救いなのですが、ペグは一目瞭然。
例のペグが入手困難である以上、別のものをつけるしかありません。
では別のペグはどれが1番いいのでしょうか。
今回は見た目や機能という観点だけでなく、『重さ』に注目します。
さて今回入手した例のペグの重さを測ってみましたが、結果は1個33gでした。
この重さを基準に代替品を考えていきます。
候補 1 F-Series Locking GO 6L
以前、リフィニッシュさせてもらった際、ペグも支給してもらったのですが、その時出会ってから機能的に外見的にも1番いいと思っていたのがこれ。
シャーラーのFシリーズ、ロックペグです。
ロックペグなので弦交換楽々、見た目もゴージャスで最高です。
重さを調べてみると、なんと49g!!
ただし、パーロイドボタンは重さが異なるので注意が必要です。
仮にシャーラー純正スモールボタンを選ぶと重さは6g違います。
従って、パーロイドに交換した場合の重さは43gということですね。
あと違いがあるとすると、ロック式なので、弦が巻きつきません。
この巻き数で音が変わるかどうか問題については、デジマート地下実験室で検証されています。
これらの点をどう捉えるかが一つのポイントと言えそうですね。
候補 2 F-Series Standard GO 6L
ロック式は重いし、弦巻きつかない。
ではスタンダードでどうだってところです。
フェンダー純正はシャーラーではない今、ある意味こちらが正統な後継モデルとも言えるペグ。
公式のサイトを見ると重さは37gとなっています。
ボタンを変えると31g。
いい線きましたね。
候補3 Fender DLX GOLD KEY /w パーロイド
製造拠点は変わったものの、純正という意味での後継モデル。
調べてみると、このゴールドでパーロイドバージョンの重さがヒットしなかったので、クロムメッキモデルの場合になるのですが、重さは37gでした。
シャーラーとほぼ同様なので、ボタンが変われば同じ重さかもしれません。
ゴールドのメッキの質感がシャーラーよりも少しだけチープな印象を受けますが、コスパは優秀と言えます。
ちなみに、フェンダー純正にもロック式があります。
重さは45g。
ボタンを変えて軽量化を図ると、39gくらいになるかもしれませんね。
候補4 Gotoh SG381
ロトマチックでゴールドで、最初からパーロイドとなるとこのゴトーもいいかもしれません。
重さは非公開っぽいんですが、ネットで調べると2020年までのモデルでクロムメッキは約35g。
パーロイドボタンにすると例のペグよりも軽くなるかもしれません。
ちなみにマグナロックはこちら。
こちらはネット情報だと、クロムメッキで37gらしい。
ボタン変更すればいい線いくペグです。
候補5 SD91系
ぶっちゃけ、クルーソンからロトマチックへの変更ってめんどくさいんです。
穴を拡大しないといけませんので結構労力入ります。
なので簡単なのは、ゴールドカラーでパーロイドボタンのクルーソンへ交換することです。
ちなみにSD系のパーロイドはP5Wという型番が該当します。
なのでこれですね。
重さはクロムメッキの場合、約26g。
クルーソンなので軽いのは当然です。
ロック式にするともう少し重さが変わると思いますが、調べても出てきませんでした。
もしかしたらいい線いくかもですね。
終わりに
まだまだ比較してみる価値はあるかもしれませんが、キリがないのでこれで終わります。
個人的には、お値段がちょっと高いですがメッキが綺麗なシャーラーを積極的に選びたいと思います。
あとはドイツ製という点で精神的な安定感が得られるのもポイント。
ロック式だと結構重いので、スタンダードでいいかもしれませんね。
今回の記事はBLK1に関連した様々なブログの中でもペグに特化した特殊なものとなりましたw
BLK1のレプリカを作りたい方やあのサウンドに近づきたいという方の参考になれば幸いです。
もっとこのペグについて何かご存知の方いらっしゃればぜひお教えください。
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